100分で名著 苦海浄土

石牟礼道子『苦海浄土』 2016年9月 (100分 de 名著)

100分で名著の「新装版 苦海浄土 (講談社文庫)」をみて心揺さぶられました。司会者の伊集院さんも目が潤んでかなりぐっときておられました。

水俣病のこと書かれているので敬遠していたのですがすごかった(;_;)

悲しいけれど闇の中にいるからこそみえる光や美しいものが描かれていました。

水俣病を発症して生まれてきた子どもは話すこともできない。
言葉を奪われて生まれてきているんですよね。
マスコミはその子どもを魂のない抜け殻といいます。その上名前ではなく41号患者と。名前まで奪ってしまいます。
人を番号で呼ぶのはアウシュビッツと同じ。

子どもの親はどこに魂があるのか探す。抜け殻というならここで目の前で息をしている娘は何であるのか。

こどもの魂の在り処を。

魂の匂いを探している母親の描写は切なくて、かなり響きます…>_<…

言いたいことを言えない時に人は魂を掘り下げる。

魂の在り処、魂…

私たちは代わりに病んでる人たちから許されて生きている

さらに両親亡くして、自分も重度の障害を患いながらある患者さんはこう言ったそうです。

『もう私たちは許すことにした。
全部許す。日本という国も
チッソ(公害を作り放置した企業)も許す。色々差別した人も許す。
許さんばきつうてたまらん。

みんなのかわりに私たちは病んでる
それで許す』

「私たちは代わりに病んでる人たちから許されて生きている。罪なことですね」と苦界浄土の作者さんはおっしゃってまして。
な、涙が(;_;)

チッソという会社が作っていたのはプラスチックです。(そして当時チッソの会社の社長が雅子様の祖父であったようです。
放射能も海に流してますし、今にもつながる問題です。公害に第三者はなく、今こうして現代の恩恵を受けているのは、苦しんでいる人に許されているからだという現実。

自然に還る。ということ
考えざるをえない内容でした。

まだまだ内容昇華できていませんが。

公害問題に第三者はいない

私たちは代わりに病んでる人たちから許されて生きている、という現実を知りました。
私も大量消費していきている人間のひとりです。

近代化の十字架を彼らが背負ってくれている。
みないふりはできません。
自分ができることからしていこうとおもいます。

この作品は傑作です。
一度読むべき良書です。強くおすすめ致します。

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